from和歌山

事件担当の矜持、これからも

事件現場となった資産家、野崎幸助さんの自宅=5月、和歌山県田辺市朝日ヶ丘
事件現場となった資産家、野崎幸助さんの自宅=5月、和歌山県田辺市朝日ヶ丘

今月中旬、個人的に作成しているスクラップブックを読み返した。自身の記事のほか、他社の記事や興味のある内容は県内外を問わず貼り付ける。長年の習慣だが、今年はあることに関する記事がスクラップブック1冊の約7割を占めていた。

「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家・野崎幸助さん=当時(77)=が3年前の5月、急性覚醒剤中毒で死亡した事件で、県警が今年4月に殺人と覚醒剤取締法違反の疑いで妻だった女を逮捕し、その後、和歌山地検は殺人罪などで起訴。妻だった須藤早貴被告(25)に関連する記事だ。

野崎さん殺害に関し、県警と地検の捜査当局は須藤被告が犯人であることを示す間接的事実を一つ一つ裏付ける手法を取った。重要視するのは凶器の覚醒剤。野崎さんの遺体からは致死量を超える覚醒剤成分が検出された。捜査側は多くの関係者証言などを集めて野崎さんが自身で使った可能性を潰し、何者かが摂取させたと断定した。

これ以外でも、事件前に須藤被告がスマートフォンを使って覚醒剤や殺害方法に関して検索していたことなども殺害計画を示す事実になるとみる。「こちらには、3年分のマシンガンの弾丸がある」。県警幹部は長期間の捜査で集めた証拠類をそう表し、立証に自信をみせる。