津波避難訓練6割実施せず 北海道、東北の自治体

政府の被害想定が公表された日本海溝と千島海溝沿いの巨大地震で、津波の到達が予想される北海道南部の沿岸や、青森県から福島県の沿岸にある計101市町村のうち、約6割の62市町村が令和3年度中に津波の避難訓練を行っていないことが21日、産経新聞の取材で分かった。長引く新型コロナウイルス禍が訓練実施に影響したとみられ、津波への備えがおろそかになる恐れも懸念される。

北海道の羅臼(らうす)町から乙部(おとべ)町に至る南部沿岸の市町と、青森、岩手、宮城、福島各県の沿岸市町村に、3年度に自治体主催の津波の避難訓練を行ったかを尋ねた。その結果、北海道は42市町中21市町▽青森は22市町村中17市町村▽岩手は12市町村中6市町村▽宮城は15市町中11市町▽福島は10市町中7市町-が訓練を「していない」と答えた。

実施しない理由に新型コロナの影響を挙げた自治体が3分の1以上あった。青森県五所川原市や岩手県洋野町などは昨年度もコロナの影響で中止しており、2年連続で避難訓練を見送っていた。流行の長期化で訓練が実施されない状態が続けば、住民の避難行動に影響することが危惧される。

一方、特に高い津波の到達が予想される北海道の襟裳(えりも)岬周辺では、実施する自治体が目立った。道南東部の釧路市ではマグニチュード(M)9クラスの巨大地震を想定した訓練を実施。隣接する白糠(しらぬか)町では、死者が増加するとみられる寒冷期の被災を想定し、来年2月に実施する予定という。

>日本海溝・千島海溝の巨大地震 被害想定の全容(PDF)