月例経済報告、17カ月ぶり上方修正 個人消費回復で

月例経済報告に関する関係閣僚会議に臨む岸田文雄首相=21日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)
月例経済報告に関する関係閣僚会議に臨む岸田文雄首相=21日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)

政府は21日発表した12月の月例経済報告で、景気の基調判断を「このところ持ち直しの動きがみられる」に変更し、令和2年7月以来、17カ月(1年5カ月)ぶりに上方修正した。新型コロナウイルスの緊急事態宣言を9月末に全面解除した影響で、個人消費の判断を2カ月連続で上方修正したことなどが反映された。

月例報告は景気に関する政府の公式見解を示す報告書。11月の基調判断は「引き続き持ち直しの動きに弱さがみられる」だった。

個人消費は回復の動きが外食や宿泊、映画など娯楽にも広がってきたことで、「持ち直している」と表現した。企業の生産活動を妨げていた半導体などの部品不足が和らぎ、新車販売が回復傾向となったことも寄与した。企業の業況判断も5カ月ぶりに引き上げた。

ただ、設備投資はソフトウエア関連の減少を受け、「持ち直しに足踏みがみられる」と13カ月ぶりに下方修正。夏場の感染急拡大で商談が延期された影響が出たとみられるが、足踏みは一時的にとどまりそうだ。

また、新変異株「オミクロン株」の出現で、先行きのリスク要因には前月なかった「変異株」を追加し、不透明感が強まっている。

一方、国土交通省の書き換えが判明した建設受注統計は、月例報告では公共投資の判断に使用しているという。内閣府担当者は、工事の出来高や請負金額など複数の指標を合わせて見ているため、「過去の判断に大きな影響があるとは考えにくいが、国交省の調査を踏まえて必要があれば対応する」と説明している。