万博にらみ関西版「MaaS」 来年度にアプリ運用開始

さまざまな移動手段の予約や決済などを一体的に提供する次世代交通サービス「MaaS(マース)」の構築に向け、鉄道、バスなど交通事業者をはじめ、国や自治体などでつくる「関西MaaS推進連絡会議」の初会合が21日、大阪市内で開かれた。国内外から多くの人が訪れる2025年大阪・関西万博に合わせ、官民共同でサービス提供を目指す。

会議には、JR西日本などの鉄道各社をはじめ、経済団体や自治体、日本国際博覧会協会などが参加。鉄道各社を中心に開発するスマートフォンアプリを来年度に運用開始する方針が確認された。

利用できるサービスは未定だが、乗り換え案内機能にとどまらず、決済や多言語対応などの機能を大阪万博開催までに順次拡充していく。鉄道に限らず、バスやタクシーなどの交通手段とも連携する。ホテルやイベント会場との送迎サービスと連動したり、位置情報をもとにした周辺の観光案内機能を持たせたりすることも視野に入れる。

大阪万博では入場券購入と会場までのアクセスを連携。混雑していないルート案内や各種の支払いを一貫して行うことを想定する。来場者に観光案内して関西の各地を周遊してもらうことで、観光、移動需要の創出にもつなげたい考えだ。

関西でのMaaSをめぐっては、鉄道各社が令和元年に「関西MaaS検討会」を発足させ、実用化の議論を進めていた。JR西の長谷川一明社長は「関西圏全体でワンストップに利用できるプラットフォームができるのではないか」と述べ、期待を寄せていた。

ただ、金井昭彦・近畿運輸局長が「(MaaSには)総論賛成、各論反対でさまざまな課題がある」と話すように、普段は競合する各社が参加するとあって実用化には高いハードルがある。各社が持つデータの相互利用や開発の費用負担といった点のほか、すでに自社で開発、運用しているアプリとのすみ分けも課題となる。

鉄道業界からは「何ができるのかまだ見えていない」として、各社がどこまで積極的になるのか疑問視する見方もある。推進連絡会議の関係者は「各社がどこまで自社のメリットを妥協できるかがカギになる」と話している。(岡本祐大)