<独自>クリニック消火栓に補修材で細工の形跡 火災被害の拡大狙う?

現場の雑居ビル前では花を手向ける人が絶えない=21日午後5時20分、大阪市北区(鳥越瑞絵撮影)
現場の雑居ビル前では花を手向ける人が絶えない=21日午後5時20分、大阪市北区(鳥越瑞絵撮影)

大阪市北区曽根崎新地のビル4階のクリニックで起きた放火殺人事件で、クリニック内の消火栓の扉が開閉しにくいよう細工した形跡があったことが21日、捜査関係者への取材で分かった。非常階段の扉の外側が粘着テープで目張りされていたことも判明。放火の疑いが持たれている患者の谷本盛雄容疑者(61)が多人数を巻き添えにするため火災被害を拡大させようと工作した可能性がある。

谷本容疑者の居住先からは、「消火栓をどうすべきか」「隙間を何とか」「放火殺人」などと記したメモが一部焼けた状態で見つかっており、大阪府警天満署捜査本部は、大量殺人を企図した犯行計画メモだった疑いもあるとみて、詳細を調べている。

捜査関係者によると、現場ビルの現場検証で、クリニック内の消火栓の扉が開きにくいよう、隙間を補修材のようなもので細工した形跡が発見された。消火栓付近の非常階段の扉では、スタッフが事件当日の朝、外側が粘着テープで目張りされているのを見つけて剝がしていた。死亡した西澤弘太郎院長(49)が事件前に妻に伝えていた。

一方、谷本容疑者の居住先だった大阪市西淀川区の住宅には「隙間を何とかしなければ」「消火栓をどうすべきか」「放火殺人」などとボールペンで書かれたメモがあった。窓の隙間は補修材のようなものでふさがれ、隙間を埋めるための工具も残されていた。

犯行計画とみられるこのメモは一部が焼け、全体像は判然としないが、捜査本部は谷本容疑者がメモを書きながら、煙を充満させ逃げ道をなくすための細工の必要性を検討し、事件当日までに現場で工作を行った疑いがあるとみている。