大阪IRに20社出資 国の認定勝ち取り後押し

大阪IRが整備される予定の夢洲=大阪市此花区(本社ヘリから)
大阪IRが整備される予定の夢洲=大阪市此花区(本社ヘリから)

大阪府市が21日に公表した統合型リゾート施設(IR)の「区域整備計画案」骨子では、米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの連合が設置する共同事業体「大阪IR」に小規模出資する20社が明かされた。新産業のIRを推進するうえで、知名度の高い地元企業との連携は住民理解を得るためにも重要なほか、出資企業にとってはIR関連のビジネスを進めるなかでメリットが大きい。国の認定を勝ち取るためにも、20社の参画は大きなアピール要素となる。

「MGMが推進役で、われわれは協力する。IRは関西経済全体にとって意義があるプロジェクトだからだ」。出資社に名を連ねた企業の幹部は、新型コロナウイルス禍で経営状況が大幅に悪化したなかでも、IRへの出資に強い意志を示した。

20社の顔ぶれは鉄道、製造業、エネルギー、住宅メーカーなど多様だが、広範な企業群が名を連ねたことは「オリックス・MGM連合にとって大きなメリットがある」(IR情報サイトを運営する小池隆由キャピタル&イノベーション社長)とみられる。

IRは新産業であるうえ、カジノ事業が含まれるため住民のなかにはMGM連合の進出を懸念する声もある。そのような状況で、「なじみのある企業が計画に参画することで、地元住民には安心感が生まれる」(小池氏)という。一方、住民の根強い反対でIR誘致が中止された横浜市では、「地元企業の協力が十分ではなかった」(同)と指摘される。

多数の地元企業が少数株主として名を連ねる手法は、オリックスが中核で進める関西国際空港の開発でもみられた。関係者によると、「地元と一体で事業を推進する姿勢」を示す狙いがあったという。

出資企業にとっても意義は少なくない。ある鉄道関係者は「新たなビジネス展開を考えるうえで、出資を通じてMGM連合の情報にすばやくアクセスできるメリットは大きい」と語る。

日本総合研究所の若林厚仁・関西経済研究センター長は「大手企業の出資は、関西経済界が一致してIRを推進する姿勢を示すだけでなく、MGM連合によるギャンブル依存症対策などを、各社が評価しているという証左でもある。国の区域整備計画の認定を勝ち取るうえでも意味は大きい」と指摘する。(黒川信雄)

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