性暴力処分の教員200人 文科省全国調査

文部科学省=東京都千代田区(鴨川一也撮影)
文部科学省=東京都千代田区(鴨川一也撮影)

令和2年度に性暴力などによって懲戒や訓告などの処分を受けた公立学校の教員が200人で、うち児童生徒らが被害者だったケースは96人に上ったことが21日、文部科学省が公表した人事行政状況調査で判明した。処分者は過去2番目の多さだった前年度に比べて73人減少したが、文科省は「児童・生徒を守る立場の者が性暴力を行うことは許されない」と問題視しており、各教育委員会に積極的な取り組みを促すなど、対策を進める。

調査結果によると、2年度に処分を受けた公立小中高・特別支援学校・幼稚園などの教員は4100人(前年度4676人)で性犯罪やセクハラなどで処分されたのは200人。文科省は、児童生徒らが被害者の場合は教委に原則懲戒免職にすることを要請してきたが、処分を受けた96人のうち免職が91人、停職が5人だった。

また性犯罪などで処分を受けた教員の刑事告発の状況について初めて調査。刑事告発や刑事手続きが取られるか、捜査機関が情報を把握しているケースは103件だった。一方、「犯罪に至らない」と判断して告発を見送ったケースは30件、被害者や保護者の意向で告発しなかったケースも39件あった。

子供に対する性暴力では、会員制交流サイト(SNS)が悪用されるケースがある。都道府県と政令市のうち9割以上にあたる62教委で、SNSなどを通して教員が児童生徒らと私的なやりとりをしないよう指針などで明確化していた一方、5教委では対策が取られていなかった。

処分者の減少と新型コロナウイルス禍の因果関係は不明という。

教員の性犯罪をめぐっては政府が、性犯罪歴を持つ人物が教育現場などで働くことを制限するシステムを創設することを検討する方針なほか、性犯罪などで懲戒免職となった教員の免許再取得を都道府県教委が拒絶できるようにする新法が5月に国会で成立。文科省も全国の教委に性犯罪や性暴力などを行った教員を原則懲戒免職とするよう求めるなどしている。