韓国高官が辞任、親の七光りで就活「父が力添え」

韓国大統領府(青瓦台)=ソウル(大西正純撮影)
韓国大統領府(青瓦台)=ソウル(大西正純撮影)

【ソウル=桜井紀雄】韓国大統領府の金晋局(キム・ジングク)民情首席秘書官は21日、息子が父親の権威をかさに着て就職活動していたと報じられたことを受けて辞任した。大統領府が明らかにした。企業への願書に「父が民情首席なので大いに力添えします」などと記していた。

民情首席は司法分野を管轄し、高い倫理観が求められるポストだ。だが、文在寅(ムン・ジェイン)政権の初代首席だった曺国(チョ・グク)氏は2019年に法相に代わる際、娘の不正進学など家族の疑惑が相次ぎ発覚し、法相を辞任した。後任者も不祥事などで短期間に交代を繰り返した。

家族の問題をめぐっては、大統領選の与野党候補がともに息子の賭博や妻の経歴詐称疑惑で謝罪に追い込まれている。国内では就職難にあえぐ若者を中心に、政府高官らの子供が親の特権を利用することへの反発が強く、即座に辞任して火消しを図った形だ。

韓国MBCテレビが20日、金氏の息子がコンサルティング会社など5社へ父親が民情首席だとアピールする願書を提出したと報じた。願書の「成長過程」の欄には「父が金晋局民情首席です」とだけ記し、自身の「長所と短所」の欄には「父に頼んで御社の夢をかなえて差し上げます」と記載していた。MBCの取材に息子は「就職したいという気持ちがあまりにも強かった」と釈明。願書は全て回収したという。

金氏は報道のあった翌朝には辞意を表明し、文大統領もすぐに受け入れた。金氏は「全て私の不注意だ」とし、謝罪した。