武蔵野市条例案否決 大阪・豊中の条例は有名無実化

本会議でを終え、記者団の前で発言する東京都武蔵野市の松下玲子市長=21日午後
本会議でを終え、記者団の前で発言する東京都武蔵野市の松下玲子市長=21日午後

東京都武蔵野市議会で21日に否決された住民投票条例案をめぐり、同じように外国人に広く投票権を認める住民投票条例をすでに施行している自治体として注目されたのが、大阪府豊中市だ。ただ平成21年3月の制定から12年間、一度も住民投票が行われたことはなく、市議からは「有名無実化している条例」との声が上がる。

同市の市民投票条例は、市内に3カ月以上住む18歳以上には、日本人と外国人の区別なく投票権があると定めている。

市は条例案の作成にあたり、17年3月から学識経験者と公募市民らで構成する検討委員会で内容を協議しているが、当時の議事録上は外国人参画が大きな争点になった形跡はない。市議会でも、外国人投票権に関しては、ほとんど議論がなかったという。

当時、条例案に反対の意見表明をしたある市議は「住民投票には外国人を含む有権者の6分の1の署名が必要との条件があり、ハードルが高すぎる。有名無実化している条例だ」と話す。今回の武蔵野市の動きには「議論を行うきっかけになったのでは」とした。

一方、大阪府の吉村洋文知事は21日、武蔵野市議会が条例案を否決したことについて「詳しい経緯が分からないのでコメントはない」としながら、一般論として「外国人に投票権を認めるのは反対。参政権は日本人が持つというのが当然だ」と記者団に述べた。

吉村氏は「外国人で納税している方も多くいる。生活を共同していくのは重要だし、分断を生むべきではない」と強調した上で「政治に参加するのは国民主権のもとで、日本国民たる国籍を有する人が権利を行使すべきだ。肌の色とかではなく、日本国籍があるかどうか。ここが重要だ」と語った。

大阪市の松井一郎市長も「外国人参政権を認めることにつながりかねないということで(議会が否決の)判断をされたのだろう」と述べ、武蔵野市議会の判断を尊重するとした。

その上で「帰化(日本国籍を取得)するハードルが下がってきている。民族の誇りを持ち続ける中でも基盤が日本であれば、帰化して日本人として参政されればいいんじゃないかと思う」と話した。