--来年は日中国交正常化から50周年の節目。習近平国家主席との会談や日中関係は今後どう進めるか。
「日中関係についてですが、まず結論からいって首脳会談などは今は何もまだ決まっていない。予定はないということであります。ただ日中関係。これはわが国にとりまして大変、重要な2国間関係である。これはいうまでもないわけです。中国に対して自由や民主主義、法の支配、人権といった普遍的な価値に基づいて、いうべきことはしっかりいう。さらには、東シナ海をはじめ、わが国の国益に関わる課題については、しっかりものをいっていく。これは重要なことだと思います」
「こうしたいうべきことはしっかりいいながら、日中関係。この大切な2国間関係をいかにコントロールしていくのか、これがわが国の国益として大変重要であると思っています。ぜひ、この日中関係において言うべきことは言いながら、安定的な関係を実現すべく努力を続けていく、こういった姿勢は大切であると思っています。こういった基本姿勢に従って、来年、日中国交正常化50年。こうした年に向けてどうあるべきなのか、しっかり外交を考えていきたいと思っています。以上です」
--デジタルや気候変動対策などを日本の成長力の底上げにどのようにつなげていくのか。名目国内総生産(GDP)600兆円を目指す政府目標はどう考えるか。
「まず成長については、これまで安倍晋三政権においても、菅義偉政権においても、さまざまな政策努力を続けてきました。過去10年ということで振り返ってもコーポレートガバナンス改革、規制改革、労働市場改革、エネルギー市場改革、社会保障改革など、政権の総力を挙げて政策努力してきたところです」
「そして、今申し上げている成長と分配の好循環。これを本格的に回すためにも成長は不可欠であり、私の内閣においても成長のための施策、総力を挙げて取り組んでいきたいと思っています。そして、その際に、デジタル、あるいはグリーンなど世界的な経済社会全体の急速な変容、また人的投資やスタートアップ、あるいはイノベーション、こうした重要性が飛躍的に高まっている。こうした世界全体の大きな流れに沿ってわが国の成長力を底上げしていきたいと考えます」
「そのためには市場機能だけに任せるのではなくして、官民が協働し、外部不経済の克服、あるいは無形資産の投資。こうしたものをしっかりと加速化する。こうしたことが鍵になると考えております。新しい資本主義実現会議において、こうした大きな絵をしっかり示していきたいと考えます」
「そして、GDP600兆円についてご質問がありましたが、まずはわが国においては、このコロナ前の水準にわが国の経済をしっかり戻していく。建て直していく。これにしっかり専念しなければならないと思います。もちろん中身はコロナ前とは違うわけですが、少なくとも数字的にもコロナ前にしっかり戻していく。そして、さらなる高みを目指していく。そういったことではないかと私は考えています」
--来年夏の参院選の勝敗ラインは。参院選と進退との関係をどう位置付けるか。
「参院選についてご質問いただきましたが、参院選、来年の夏でありますんで、まだ半年以上先のことです。その半年以上先の選挙について、勝敗ラインとかですね、身の処し方を申し上げるというのは、ちょっと気が早すぎるのではないかとも感じています」
「参院選に向けては、まずは今の政権に課せられた課題、コロナ対策ですとか、日本の経済の再起動ですとか、外交・安全保障。こうした重大な課題について、どう向き合ってどう結果を出していくのか。それをまず考えていくべきではないかと思います。その上で、しかるべき時期が来たら勝敗ラインですとか、身の処し方という話が出てくるのかと思います」
「まずは今の政権においてやるべきことをしっかりやり、そして、より具体的に結果を出して、国民の皆さんから信頼や共感をいただけるような政治を進めていくことが大事ではないかと考えます」