政府の作業部会座長、河田恵昭氏「逃げることの大切さ知って」 巨大地震被害想定

河田恵昭氏(伊藤壽一郎撮影)
河田恵昭氏(伊藤壽一郎撮影)

日本海溝と千島海溝の巨大地震の被害想定をまとめた政府の作業部会座長、河田恵昭・関西大特別任命教授は、産経新聞の取材に「逃げることの大切さを理解してほしい」と述べ、津波から避難する意識の向上を求めた。主な発言は以下の通り。

想定した被害は非常に大きいが、数字だけを捉えるのではなく、今の日本が置かれている巨大災害に対する環境の理解につなげてほしい。想定される被災地の人たちだけの局所的な問題ではなく、日本全体の未来を左右する可能性がある災害だという深刻さが、これまでほとんど伝わっていないことを、とても心配している。

発表まで時間がかかったが、東日本大震災の津波被害に関する研究が進み、その成果を反映させようと十分に計算した結果だ。特に東北の北部から北海道にかけては冬季の寒さが厳しく、そんな時期に巨大地震と津波に襲われる過酷さを数字できちんと評価するため慎重に進めた。

ただ、きちんと避難し、建物の揺れ対策も進めておけば、人的被害は大幅に軽減されることも指摘した。逃げることの大切さを自分の問題として理解してもらえるように、分かりやすい情報の届け方を工夫した。

想定の数字は知っておけばいいという一過性のものではない。巨大地震と津波の被害を減らすためには具体的にどういう行動を取ればいいか、日常生活と直結した問題としてとらえ、常に考え続けてほしい。

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