ソウルからヨボセヨ

ドタキャンされた取材

韓国法務省は、首都機能の分散に伴いソウル郊外に置かれており、支局から電車で約1時間かかる。できれば電話取材で済ませたいところなのだが、外国語でのやり取りは対面の方が容易なこともあり、担当課の職員と面会の約束をした。

ところが、当日になって「会えない」とドタキャンの電話がかかってきた。政治性を帯びた取材ということもなければ、急な用事が入ったわけでもなく、ただ「負担が大きいから」だという。「直接取材しなくても、ネットで調べれば確認できる」。法務を担う役人から、ネット情報を基に原稿を書け、といわれることにあぜんとした。

韓国の省庁は報道対応でSNSを活用しており、大統領発言や報道官の会見内容などをスマートフォンでリアルタイムに確認することができる。写真や動画もすぐに共有されるなど、優れた面が少なくない。とはいえ、情報の送り手と受け手でコミュニケーションが成立しなければ、どんなにインフラが充実しても無用の長物となってしまう。

数日後。自宅で故障したボイラーの修理業者が約束の時間を過ぎても現れず、「天気が悪いので行けなくなった」と、またもやドタキャンの連絡が来た。さまざまな面で日本と変わらないように見えても、ここはあくまで外国なんだなあ。そう苦笑いした。(時吉達也)