チリ大統領選で左派候補当確、未批准のTPPに影響も

19日、チリ・サンティアゴで支持者らと勝利を祝うボリッチ氏(ロイター)
19日、チリ・サンティアゴで支持者らと勝利を祝うボリッチ氏(ロイター)

南米チリで19日、ピニェラ大統領の任期満了に伴う大統領選の決選投票が行われ、左派のガブリエル・ボリッチ下院議員(35)の当選が確実となったが、同氏は国内市場を保護する立場で、未批准の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を含む自由貿易協定の見直しを主張しており、日本との通商面でも今後影響が出る可能性がある。

「TPP加入に慎重であるとは承知しているが、反対とまでは聞いていない。着任後の態度表明を含め、しばらく慎重に推移を見ていきたい」

政府関係者はこう語り、情報収集を行う考えを示した。

もっとも、日本政府としては、チリのTPPへの早期批准、加入に向けて働きかけてきた経緯もあり、「(加入の)動きが遅れる可能性がある」と指摘する。

日本とチリの2国間ではすでに経済連携協定(EPA)を結んでおり、銅やモリブデンといった鉱物や、サーモン、ワインなどを対象品目とし、協定発効効果が生じており、「今すぐ変化があるとは考えにくい」状況にある。TPP加入により品目数は増える可能性はあるが、すでに2国間EPAでかなりカバーできているため「日本にとっての影響は限定的ではないか」としている。(那須慎一)