チリ大統領選で左派ボリッチ氏が勝利 史上最年少36歳

19日、チリ南部プンタアレナスで投票するガブリエル・ボリッチ氏(同氏陣営提供・共同)
19日、チリ南部プンタアレナスで投票するガブリエル・ボリッチ氏(同氏陣営提供・共同)

【ニューヨーク=平田雄介】南米チリで19日、ピニェラ大統領の任期満了に伴う大統領選の決選投票が行われた。現地からの報道によると、先月の第1回投票で首位に立った右派のホセアントニオ・カスト元下院議員(55)が敗北を認め、左派のガブリエル・ボリッチ下院議員(35)の当選が確実となった。

中央選管当局によると、開票率99%時点の得票率はボリッチ氏が55%、カスト氏が44%。カスト氏は19日夜、「偉大な勝利だ」とボリッチ氏を祝福した。

新大統領の就任日は来年3月11日。任期は4年。就任時に36歳のボリッチ氏はチリ史上最年少の大統領となる。同氏は学生運動の指導者出身で、選挙戦では格差の是正と福祉の充実を訴えた。国内市場を保護する立場で、未批准の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を含む自由貿易協定の見直しを主張している。

カスト氏は2019年の地下鉄料金の値上げに端を発した一連の社会騒乱などで悪化した治安の回復を訴え第1回投票で支持を伸ばしたが、1990年まで続いたピノチェト軍政を支持するなどした過去の言動が決選投票では敬遠された。

中南米ではボリビアで昨年11月、ペルーで今年7月に左派政権が発足。ホンジュラスでも先月28日実施の大統領選で「貧困と格差の是正」を訴えた左派のカストロ氏が勝利した。大きな政府を志向する「左派ドミノ」の流れに、指導者の強権化を警戒する声が米欧メディアに広がっている。