中国の人権問題を理由に米国や英国、オーストラリア、カナダなどが来年2月の北京冬季五輪に政府代表を派遣しない「外交的ボイコット」を表明する中、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は外交的ボイコットをする考えがないことを断言した。背景には、文氏が熱望する朝鮮戦争(1950~53年)の終戦宣言実現に欠かせない中国の協力がある。政権末期の文氏は、来年5月までの任期中に南北関係で外交的成果を残し、何とかして自身の業績を作りたいようだ。
政権の業績作りを
文大統領は今月13日、訪問先のオーストラリアで、北京冬季五輪での「外交的ボイコット」について「韓国政府は検討していない」と語った。モリソン豪首相との首脳会談後、記者会見で明らかにしたもので、文氏は「北朝鮮の非核化のために中国の建設的な努力が求められる」と強調。「米国をはじめ、いかなる国からも(外交的ボイコットを)勧められたことはない」とも付け加えた。