政府、職場接種も前倒し検討 補正予算成立

参院予算委員会で答弁に臨む岸田文雄首相=20日午前、国会・参院第1委員会室(春名中撮影)
参院予算委員会で答弁に臨む岸田文雄首相=20日午前、国会・参院第1委員会室(春名中撮影)

新型コロナウイルスの経済対策を含む令和3年度補正予算は20日、参院本会議で与党の賛成多数により可決、成立した。一般会計の歳出総額は35兆9895億円で、補正予算としては過去最大となる。

補正予算は18歳以下に10万円相当を給付する事業に1兆2162億円を計上。政府は現金5万円とクーポン5万円の給付を原則としていたが、自治体などの意向を踏まえ現金での一括給付を容認した。中小企業への「事業復活支援金」や、観光支援事業「Go To トラベル」の再開に向けた経費なども盛り込んだ。

参院本会議に先立ち、参院予算委員会は締めくくり質疑を行った。岸田文雄首相は新型コロナの水際対策強化に関し「少なくとも年末年始の状況を確認した上で考えたい。機動的にスピード感を持って対応する」と述べた。政府は新たな変異株「オミクロン株」の世界的流行に伴い、11月30日から当面1カ月程度、外国人の新規入国を原則停止している。

後藤茂之厚生労働相は新型コロナワクチンの3回目接種をめぐり、職場接種の前倒しを検討する意向を示した。政府は医療従事者や高齢者施設入所者らの接種間隔を、従来の8カ月から6カ月に短縮する方針を示している。職場接種も早めることでオミクロン株への対策に万全を期す考えだ。

国土交通省の建設工事受注動態統計の書き換えをめぐり、同省幹部は集計方法の変更を決めたのは平成22年3月だと説明した。この問題では25年度から二重計上が行われ、国内総生産(GDP)に影響があった可能性が指摘される。

首相は、米国のエマニュエル次期駐日大使について「バイデン米大統領の信頼が厚い方だと聞いている。新しい駐日大使と緊密に連携していくことが重要だ」と述べた。

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