吉田鋼太郎 ドラマでは3人娘の頑固おやじだが、実生活では…

拳を握り、表情豊かに撮影に臨む吉田鋼太郎=東京・台場
拳を握り、表情豊かに撮影に臨む吉田鋼太郎=東京・台場


俳優の吉田鋼太郎(62)が主演する土ドラ「おいハンサム!!」(土曜後11・40、全8話)。東海テレビと日本映画放送が初めて共同製作する連続ドラマで、来年1月8日からフジテレビ系でスタートする家族と食と恋をテーマにしたホームコメディーである。

3人娘の幸せを願って奮闘する主人公・伊藤源太郎が吉田の役どころだが、このほど行われた取材会で意外にも自らプライベートの顔を披露した。

今年3月に生まれた娘の話題にふれ「かわいいですよねえ。今まで見せたことのないような笑い顔をしたとき、それを見た僕の顔は“ハンサム”だと思う」とタイトルに合わせ、満面の笑み。さらに、ややこしいけど情に厚く憎めない令和の頑固おやじという役柄に絡め、こんなことも。

「源太郎は言いたいことが言えないシャイな男。特に娘には。しゃべらず、背中で語るというシーンがある。無言でも台本に書いてあることを語らなければいけない…でも僕は、伝えたいことは伝えていきたいと思っている。まず自分の娘には作法などをしっかりと教え、それをすてきだなと思う男性がいいのではないでしょうか」

顔をくしゃくしゃにして、話は際限なく広がった。

実生活の幸せぶりが十分に伝わる一方で、ドラマの内容も魅力的だ。長女に木南晴夏、次女に佐久間由衣、三女に武田玲奈、そしてお母さんにはMEGUMIというキャスティング。朝食の目玉焼きひとつとっても個性の違う3姉妹。唯一の共通点は、男を見る目が全くないことだった。

そんな娘たちに、おそらく若かりし頃からモテモテであろう吉田自身がアドバイスを送るとしたら…。しばし考え、こう言った。

「お金、地位では絶対にない。優しさ、思いやりは抽象的だしなあ。そう、食事をするときに美しい人がいい。僕は食へのこだわりは特にないが、食べるシチュエーションを大事にしており、食事の際、きれいだなと感じたら基本的に信用できる」

撮影現場では多くの女性陣に囲まれ「女性がたくさんいらっしゃることはワクワク、ドキドキ。うれしいですけどね、でも今はご飯とか行けないし…」と吉田。色気たっぷりのオーラは健在である。

源太郎との共通点はもちろんある。

「年代、ものの考え方はほぼ一緒。行く店もチェーン店ではない昔ながらの居酒屋さんとか。目玉焼きの焼き方も半熟が好き。僕と似ている(笑)」

イメージするのは向田邦子さん原作のヒットドラマ「寺内貫太郎一家」や「父の詫び状」の頑固な父親像。「僕の父や祖父もそうだった。かわいいといや、かわいい。そういう姿はすてきだと思う。でも僕は現代の人になっているので、しゃべってなんぼと思っている。最近は特によくしゃべって伝えることにしている。絶滅状態といわれる昭和の頑固おやじをなぜわざわざ令和にやるのか。今回はそのコンセプトがおもしろい」

漫画家・伊藤理佐さん原作の初の実写化で、多くの作品群からさまざまなエピソードをリミックスして映像化する。「原作は柔らかくコミカルだが、それとは少し切り離してくれたらいいかなと思う。“漫画と違うじゃねえか”と思われることなく、あくまでテイストを残しつつ新しいものを作っていく感覚」という。

脚本・演出・プロデューサーを務めるのは、フジテレビ在職時代にヒットドラマ「ナニワ金融道」「きらきらひかる」シリーズ、「ランチの女王」などで知られる山口雅俊さん(ヒント)。吉田は「天才といわれる監督」と絶賛し、「抽象的な会話が多いことが特徴。僕はアドリブを挟み込んでいくのがどちらかというと好きだが、どうやら監督の指示通りにやった方がきっとおもしろいものができるのではないか。だから、今回はアドリブなしです」と笑う。

シェイクスピア劇などの舞台から映画、テレビまで硬軟問わず、実力派として第一線で活躍するが、ターニングポイントとなった作品については、2016年からのヒットドラマ「おっさんずラブ」(テレビ朝日系)シリーズを挙げた。

「束縛の多い役で難しかったが、一つのスキルになった。今回の作品も代表作になるかもしれないし、いや、代表作にしたい」

あくまで謙虚に、トップクラスといえるベテラン俳優は力強く締めくくった。

(産経デジタル)