「勇気ある英断を」  拉致被害者家族会代表訴える

講演する北朝鮮による拉致被害者家族会の横田拓也代表
講演する北朝鮮による拉致被害者家族会の横田拓也代表

昭和52年、北朝鮮に拉致された横田めぐみさん(57)=拉致当時(13)=の弟で、北朝鮮による拉致被害者家族会の横田拓也代表(53)が、大阪府東大阪市で「拉致問題の本質とは」と題して講演した。拉致問題の解決ができるのは「政治」と指摘し、北朝鮮に「勇気ある英断」と早期解決を求めた。

横田代表は今月11日、前代表の飯塚繁雄さん=83歳で18日死去=から引き継ぐ形で3代目代表に就いた。

講演は18日に行われ、フジテレビの三田友梨佳アナウンサーとも対談。三田アナから「拉致被害者全員の帰国がなければ、解決にならない」との問いかけに、横田代表は北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記が「24時間監視下に置く拉致被害者を『(日本に)返しなさい』と指令すれば帰ってくる」と拉致問題の解決策を指摘、岸田文雄政権にも「戦略を持って解決してほしい」と要求した。

家族会にとっては、拉致被害者の帰国を「いつまで待てばいいのか。ゴールが分からない」と苦しい胸の内を吐露。姉のめぐみさんに「会いたいし、母(早紀江さん)に会わせてあげたい。被害者にも家族にも時間がない」と語り、世論の盛り上がりが早期解決につながると期待を寄せた。

講演会は東大阪市などが主催。政府の北朝鮮人権侵害問題啓発週間(10~16日)に合わせて開かれ、約200人が参加した。同市の女性(72)は「自分に何ができるのかを考えさせられた」と話した。

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