京都錦市場、効率的換気へ 村田製作所と実証実験

錦市場商店街に設置された村田製作所の二酸化炭素測定器(上)。タブレット端末などで計測値を確認できる=京都市中京区
錦市場商店街に設置された村田製作所の二酸化炭素測定器(上)。タブレット端末などで計測値を確認できる=京都市中京区

新型コロナウイルス対策として、村田製作所(京都府長岡京市)と京都錦市場商店街振興組合(京都市中京区)は20日、錦市場商店街に二酸化炭素(CO2)濃度の測定器を設置し、「見える化」と換気による感染リスク低減の実証実験を始めた。商店街は開閉型のアーケードを備えており、CO2濃度上昇時に開放して換気を行う。実験は来年3月末までの予定。

実験では、商店街の柳馬場通と富小路通に挟まれた約90メートル区間に測定器4基を設置。測定器にはCO2の計測センサーやWi-Fiが組み込まれ、商店街側はスマートフォンやタブレットなどのアプリで計測値を確認できる。

組合は昨年11月、土日・祝日にアーケードの短時間開放を実施したが、「寒い」「雨で商品がだめになる」との意見があり、今年2月に中止していた。村田製作所側から申し入れがあり、測定器を設置。将来的には商店街全体への増設を検討するとしている。

ボタン操作で開く錦市場商店街のアーケード。測定器との組み合わせで効率的な換気を目指す=京都市中京区
ボタン操作で開く錦市場商店街のアーケード。測定器との組み合わせで効率的な換気を目指す=京都市中京区

村田製作所は人の流れを検知するセンサーを組み込み、通行量とCO2濃度との関連も調べるほか、通行人がスマホで計測値を確認できるようにするなどの活用も検討する。また、府は府内約3千店舗にCO2濃度測定器を設置してデータを収集しており、今回のデータも使って効率的な換気のガイドブックを作成する。

清水彰組合事務長は「アーケード開閉のタイミングに科学的な根拠がなかった。実験で、安全で安心できる商店街にしたい」と話した。(平岡康彦)

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