容疑者、先月ガソリン購入 居住先近くのGSで 大阪・北新地ビル火災

犠牲者を悼み、現場には多くの花が手向けられた=20日午前、大阪市北区(安元雄太撮影)
犠牲者を悼み、現場には多くの花が手向けられた=20日午前、大阪市北区(安元雄太撮影)

大阪市北区曽根崎新地のビル4階のクリニックから出火し、24人が死亡するなどした放火殺人事件で、クリニックに通院歴がある患者の谷本盛雄容疑者(61)=職業不詳=が事件前の今年11月下旬、大阪市西淀川区にある居住先の住宅近くでガソリンを購入していたことが20日、捜査関係者への取材で分かった。現場ビルでは、消防の簡易鑑定でガソリンのような油分が検出されており、大阪府警天満署捜査本部は、油分を詳しく鑑定している。

捜査関係者によると、谷本容疑者は11月下旬、大阪市西淀川区姫島の居住先近くのガソリンスタンドでガソリンを購入していた。このガソリンスタンドに谷本容疑者が本人確認のための書類を提示した履歴が確認された。捜査本部は、ガソリンスタンド周辺の防犯カメラ映像を調べて裏付けを進め、ガソリンの購入量などを詳しく調べる。

捜査本部によると、27人が心肺停止で病院に搬送された火災は17日午前10時20分ごろ、心療内科「西梅田こころとからだのクリニック」で起きた。激しく燃えたのは約80平方メートルのクリニックのうち、出入り口付近の約25平方メートル。捜査関係者によると、死亡した24人のうち、10人はクリニック奥側の焼損がなかった診察室付近で倒れており、14人は診察室前の通路付近で見つかった。24人にほぼやけどはなく、一酸化炭素中毒で死亡した可能性が高い。

捜査関係者によると、消防の簡易鑑定では、エレベーターや非常階段がある出入り口付近から油分が検出され、天井付近まで燃え上がった痕跡があった。クリニックの防犯カメラには、谷本容疑者が来院から1~2分で放火する様子が写っており、捜査本部は揮発性の高いガソリンが使われた可能性が高いとみている。

一方、火災の約30分前には、現場ビルから西に約3・5キロにある谷本容疑者の居住先だった住宅2階の一室で床が焼ける火災があった。消防の簡易鑑定では焼けた床付近から油分が検出されており、現場ビルで検出された揮発性の高い液体と同一とみられる。不動産登記によると、住宅は昭和62年4月に建てられ、所有は容疑者名義。谷本容疑者は住宅から1年以上前に転居した後、最近になって再び住み始めたとされる。公共料金は谷本容疑者が契約し、住宅からはクリニックの薬の袋が見つかった。

既読つかず「生きていて」 大阪・北新地ビル火災