現代社会には欠かせない存在となったインターネット。この情報伝達基盤が大きな岐路に立たされている。安価に世界中をつなぎ、自由で開かれた通信手段として発展してきたが、中国を始めとした権威主義国家で規制を強める動きが強まっているためだ。新型コロナウイルスは、在宅勤務などを通じ人々のインターネットへの依存度を高めた。一方、フェイクニュースといった誤情報を拡散させる弊害の大きさも浮かび上がらせ、規制強化の動きを後押ししている。
「新型コロナのパンデミック(世界的大流行)は、デジタル化の分断と、科学技術の邪悪な側面の拡大も招いた」
国連のグテレス事務総長は、ポーランドで6~10日に開かれたインターネットガバナンスフォーラム(IGF)の開幕講演で、人権や自由の原則を守るための明確なルール策定を世界が団結して築くことが必要だと訴えた。