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新書 『神社とは何か』

タイトルが示す問いに、文献史学、遺物考古学、民俗伝承学という3つの学問を組み合わせて迫った。

例えば、考古学の観点では、神社の社殿がなかった時代の祭祀(さいし)遺跡から変化を追跡。大きな岩をめじるしとする磐座(いわくら)祭祀から、そのかたちを変えていったことを明らかにしていく。ほかにも、建築様式から、神社の歴史がどう変遷していったかを整理するなどして謎を解き明かしていく。

結論は最後の「おわりに」に示されているが、そこに至る考察の過程をぜひ楽しんでほしい。普段は何げなく訪れている神社の魅力がさらに増すはずだ。(新谷尚紀著/講談社現代新書・1100円)

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