宇都宮のパティシエが宇宙飛行士に贈った高さ17センチのケーキ「ロケットツリー」

クリスマスの飾りつけをしたモンブランのロケットツリー(鈴木正行撮影)
クリスマスの飾りつけをしたモンブランのロケットツリー(鈴木正行撮影)

渋皮付きの和栗をたっぷりと使用したスイーツ「モンブランケーキ」。高さ17センチある「ロケットツリー」は、国際宇宙ステーション(ISS)で平成27年に長期滞在した宇宙飛行士、油井亀美也(ゆいきみや)さんに贈呈された逸品だ。考案者のパティシエで国際テクニカル調理製菓専門学校技術特任教授の永沢弘道さん(65)は「イメージしたものを試作していくうちに、さらに良いアイデアが浮かぶ」と、スイーツ作りへの熱い思いを語る。

永沢さんはホテルオークラのパティシエとして東京、グアム、福岡などに勤務し、数々の海外のコンテストで優勝した経験を持つ。300以上のスイーツのレシピを開発し、多くがヒット商品となった。

21年春にホテルオークラ福岡で開催された、油井さんと大西卓哉さん(28年にISSに長期滞在)の壮行会では、油井さんにロケットツリーと名付けたモンブランのケーキを、大西さんにはイチゴのケーキをそれぞれ贈呈した。

ロケットツリーは通常のケーキでは珍しい17センチの高さにするため、「大きさを少しずつ小さくした丸型のビスキュイ(スポンジ生地)を重ねてツリー状にする」(永沢さん)ことにした。しかし時間がたつとビスキュイの自重で傾いたり沈んだりしてしまう恐れがあった。そのとき、食器棚の皿が積まれているのを見た永沢さんは「おわん型にして重ねていけば傾かない」というアイデアを思いつき実現した。

ロケットケーキを受け取った油井さんと大西さんはその後、宇宙飛行士としての役目を果たした。永沢さんは「まだ宇宙に行くことが正式に決まっていなかったときに、少しでも励ますことができたのでは」と振り返る。