静岡県が大井川の流量減少に対する懸念を示し、着工が見送られているリニア中央新幹線静岡工区をめぐり、国土交通省の有識者会議は19日、中間報告を取りまとめた。適切な対策で流量は維持できるとし、JR東海には地元と十分に意思疎通して懸念を払拭するよう求めた。ただ、川勝平太静岡県知事はこれまで中間報告に向けた議論に反発しており、着工は依然として見通せない。
中間報告では、トンネル掘削で発生する湧水を大井川に戻せば、中下流域の流量は維持され、地下水への影響も極めて小さいと指摘。湧水を戻す方法をJRと地元で協議するよう促した。
JRには、想定外の湧水など不測の事態に備え、水量や水質の監視体制構築も要求。流域自治体と十分に意思疎通し「地域の不安や懸念が払拭されるよう真摯(しんし)な対応を継続すべきだ」と求めた。