台湾で米産豚肉めぐる住民投票、対日関係に影響も

住民投票の前夜、支持を訴える台湾与党、民主進歩党の蔡英文総統=17日、台北(中央通信社=共同)
住民投票の前夜、支持を訴える台湾与党、民主進歩党の蔡英文総統=17日、台北(中央通信社=共同)

【台北=矢板明夫】台湾で18日、成長促進剤ラクトパミンを飼料に使った米国産豚肉の輸入をめぐって賛否を問う住民投票が行われた。輸入禁止を求める声が多数となれば、緊密化している米台関係に影を落とす恐れがある。米国産豚肉のほか、第4原発の建設再開の是非なども対象で、住民投票は計4項目。結果は同日夜に判明する見通し。

長年の懸案だった米国産豚肉の輸入解禁は蔡英文政権が昨年夏、立法院(国会に相当)の審議を経ず、行政命令で輸入を決めた。

これに対し、野党の中国国民党は「ラクトパミンは健康に有害だ」などと主張して反対運動を展開。必要な署名を集めて住民投票を求めた。台湾では食の安全に対する関心が高く、各種の世論調査では、いずれも野党側の主張を支持する意見が多数を占めている。

だが、対米関係を重視する蔡政権は、与党の民主進歩党の関係者を総動員するなどして、昨年の政府決定への支持を訴える集会を各地で開き、総統選さながらのキャンペーンを展開。与野党を巻き込んだ激しい政治論争に発展している。

他方、今回の住民投票は今後の日台関係にも影響する懸念がある。台湾は2011年の東京電力福島第1原発の事故後、福島など5県産の食品輸入を禁止したまま。日本側は早期の輸入解禁を強く求めている。

住民投票で米国産豚肉が再び輸入禁止となれば、日本産食品の輸入解禁をめぐり、さらに問題解決が先送りされる可能性が高い。

この日の住民投票は米国産豚肉のほか、桃園市に天然ガス受け入れ基地を建設する計画や、第4原発の建設再開の是非も対象。結果は法的拘束力があり、2年間は覆すことができない厳しい規定となっている。

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