金賢姫元工作員は「胸が痛む」 飯塚さん死去

初対面した田口八重子さんの長男、飯塚耕一郎さんと握手する金賢姫元工作員。真ん中は田口さんの兄、飯塚繁雄さん=2009年3月
初対面した田口八重子さんの長男、飯塚耕一郎さんと握手する金賢姫元工作員。真ん中は田口さんの兄、飯塚繁雄さん=2009年3月

【ソウル=時吉達也】かつて北朝鮮で拉致被害者、田口八重子さん=拉致当時(22)=と同居生活を送った大韓航空機爆破事件の実行犯、金賢姫(キム・ヒョンヒ)元工作員は18日、田口さんの兄、飯塚繁雄さんの訃報について産経新聞の取材に「八重子さんと再会できないまま旅立たれてしまい、大変胸が痛む」と述べた。

金元工作員は1987年の爆破事件前の81~83年、田口さんから日本語教育を受けた。韓国で死刑判決と特赦を経て2010年に来日した際には、田口さんの長男、飯塚耕一郎さんや繁雄さんと軽井沢で面会、夕食をともにした。

金元工作員は繁雄さんについて「耕一郎さんに堂々とした『父親』のように接し、問題解決に向け献身的に活動する姿が印象的だった」と振り返った。

拉致被害者家族会の新事務局長に就いた耕一郎さんに対しては「喪失感が大きいだろうが、母との再会を実現するため、元気を出してほしい」と話した。

家族会の高齢化については「(家族が)数十年間も(被害者の)顔も見られず、無念さを抱いたままこの世を去っていくという状況がこれ以上繰り返されてはならない」と強調。日本政府には「困難も多いだろうが、北朝鮮の扉をたたき続けてほしい」と訴えた。

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