【ワシントン=渡辺浩生】米上院本会議は18日、バイデン大統領が駐日大使に指名したラーム・エマニュエル前シカゴ市長(62)の人事を賛成多数で承認した。近く着任する見通し。覇権主義的行動を強める中国に対抗し、インド太平洋の平和と安定を維持するため日米同盟の強化に向けた役割が期待される。
駐日米大使のポストをめぐっては、ハガティ前駐日大使(現・上院議員)が2020年上院選に出馬のため19年7月に離任して以降、約2年半にわたり空席となっていた。
エマニュエル氏はクリントン政権の大統領補佐官や中西部イリノイ州選出の下院議員を経て、09~10年に当時のオバマ大統領の首席補佐官を務めた。バイデン大統領や政権幹部と太いパイプを持つ、民主党の重要人物の一人に位置付けられている。
エマニュエル氏は上院外交委員会の指名承認公聴会で、日米共通の最重要課題は覇権を追求する中国との競争にあると指摘。「自由で開かれたインド太平洋における平和と安定の礎となってきた日米の絆を強めていく」と述べ、日本の防衛予算の増額に期待を表明していた。