米「オミクロン2~3週で支配的に」 文化施設も対応急ぐ

ファウチ氏(中央)(UPI=共同)
ファウチ氏(中央)(UPI=共同)

【ニューヨーク=平田雄介】バイデン米政権の首席医療顧問、ファウチ国立アレルギー感染症研究所長は16日、新型コロナウイルスの新たな変異株オミクロン株が急速にデルタ株と置き換わり、「来年1月に向かう今後2~3週間で支配的な株になる」との見通しを示した。オミクロン株は全米50州のうち38州と首都ワシントンなどで確認され、感染が急拡大している。

ニューヨーク市内では16日、新型コロナの民間検査場の前に受検者の行列ができていた。最後尾の男性(46)は「週末に帰省して両親と会う前に感染の有無を確かめたい」と話した。

オミクロン株への懸念が強まっているのを受け、ニューヨーク州での検査件数は13日の約14万件から15日に約28万件と倍増した。州内の15日の新規感染者は前日比40%増の1万8276人と今年1月14日以降で最多となっている。

影響は9月に公演を本格再開した劇場街ブロードウェーにも。出演者やスタッフの感染が相次いで確認され、人気の「ハミルトン」など少なくとも7演目が上演中止に追い込まれた。

冬休みを控えた大学も対応を迫られ、今週1100人超の感染が見つかったニューヨーク州のコーネル大や、首都ワシントンのジョージ・ワシントン大が、期末試験をオンラインに切り替えて行うと発表した。

感染防止に向け、世界的なオペラハウスであるニューヨーク市のメトロポリタン歌劇場は、来年1月17日から来場客にワクチン追加接種の証明書を提示するよう求めると発表。追加接種の対象となっていない人にも、ワクチンの種類に応じて1~2回の接種を終えてから2週間が経過したことを示す証明書の提示を義務づけ、陰性証明書での入場は認めないとした。

既存ワクチンはオミクロン株による重症化を防ぎ、追加接種をすれば感染予防効果も高まるとの初期研究が報告されている。バイデン米大統領は16日、「未接種者は重症か死の冬を見ることになる。身を守る唯一の方法はワクチンを接種することだ」と呼びかけた。

米規制当局が認可した既存ワクチンはファイザー、モデルナ、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製の3種類。このうちJ&J製は接種後の血栓症による死亡例が9件確認されており、米疾病対策センター(CDC)は16日、J&J製よりもファイザーやモデルナ製の接種を推奨するとの意見をまとめた。

会員限定記事会員サービス詳細