企業の人権対応不可避 中国ビジネスへの影響懸念も

日本商工会議所の三村明夫会頭
日本商工会議所の三村明夫会頭

米議会上院が16日、中国新疆ウイグル自治区からの物品輸入を原則禁じる「ウイグル強制労働防止法案」を可決した。同自治区の強制労働問題をめぐっては、日本企業もアパレルなどでサプライチェーン(供給網)を再点検したり、調達先を見直したりしているが、さらなる対応強化が求められそうだ。

日本商工会議所の三村明夫会頭は「世界全体にとって非常に大きな問題。もっと関心を持つべきだ」と述べ、日本企業に毅然(きぜん)とした対応を求める。

もっとも、間接的な取引先を含む膨大な調達網をすべてチェックするのは簡単ではない上、中国が強制労働の実態把握を妨げているとの見方もある。この秋に新疆綿の使用中止を決めた三陽商会は取引先を対象に調査したものの、実態を突き止めることはできなかった。中止に踏み切ったのは「疑いがある以上は止めざるを得ない」(大江伸治社長)との判断からという。中小企業などにとっては、把握などにかかる費用も負担となる。

一方、新疆綿の使用中止を報じられたアパレル大手は「人権問題にはもちろん厳しく対応するし、使っていないはずだが、使わないと言ったわけではない。取り上げられたくないのが本音」と困惑する。米スポーツ用品大手のナイキやスウェーデンのアパレル大手、H&Mが中国で不買運動の標的となった経緯もあり、中国ビジネスへの悪影響や米中対立に巻き込まれることを懸念する日本企業も少なくない。