奈良・御杖村で大学生が期間限定レストラン

「御杖村のよさを伝えたい」と食材を手にポーズをとる県立大の学生ら=奈良市
「御杖村のよさを伝えたい」と食材を手にポーズをとる県立大の学生ら=奈良市

奈良県立大(奈良市)の学生が、同県御杖村産の食材を使ってコース料理を提供する「御杖村産レストラン結(ゆい)」を奈良市内で11月5日から1カ月間の期間限定でオープン、好評のうちに営業を終了した。学生らは今月、村保健センターで報告会を開き、「御杖村の魅力を知ってもらうきっかけとなった」と手応えを語った。

取り組みは、食を通じて村の地域活性化につなげようと、村と連携協定を結ぶ県立大地域創造学部の女子学生ら6人が中心となって計画した。店名の「結」は、「村とレストランを訪れる人をつなぐ場になれば」との思いを込めた。

メニューの考案にあたって、学生らは5月から何度も村を訪れ、食材を吟味。高原地域特有の甘みのある野菜や、天然の蜂蜜などを選び、試行錯誤して1つ1つのメニューを完成させた。

 「美しい川」というテーマで提供したアマゴのムニエル。夜空に見立て、黒い皿を使用した(御杖村提供)
「美しい川」というテーマで提供したアマゴのムニエル。夜空に見立て、黒い皿を使用した(御杖村提供)

こうしてできたのは全6品のコース料理(5900円)。前菜では、村の形に似た楕円形の皿を使用し、4つの地域の祭りをイメージして盛り付けた。カボチャと小豆をすりつぶした郷土料理「いとこねり」を使ったスープではシイタケのじくや、ニンジンなど野菜の皮でだしをとり、食材を余すことなく使用。アマゴのムニエルにはユズの皮を添えて蛍を、大和牛のステーキは、林業が盛んだった広大な山での暮らしを表現した。

レストランのコンセプトは「情報が食べられる」。料理の提供時に、食材の説明や背景にある歴史や文化も伝えた。3年の浅田千尋さん(21)は「このレストランが村を訪れるきっかけになれば」と話す。

期間中、週末のみの営業だったが、訪れた客は県内をはじめ、遠くは東京都や香川県、新潟県からも。120人以上が「御杖の味」を堪能したという。

同村の保健センターで12日に開かれた報告会には食材を提供した生産者や、メニュー開発を手伝った道の駅「伊勢本街道御杖」のレストランシェフ、学生らがフィールドワークで話を聞いた村民ら約20人が招かれた。

レストランで提供された前菜と魚料理もふるまわれ、宿泊施設「三季館」を運営する西平純子さん(66)は、「おいしい。料理一つ一つに手間がかかっていることがよくわかる」と感心していた。

伊藤収宜(かずよし)村長は「村の知名度を高めてくれた。学生たちの力と思いに感謝したい」と話した。学生たちが考案したメニューは、今後、道の駅「伊勢本街道御杖」などでの提供を考えるという。