公開中の作品から、文化部映画担当の編集委員がピックアップした「プレビュー」をお届けします。上映予定は予告なく変更される場合があります。最新の上映予定は各映画館にお問い合わせください。
「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」17日公開
米国の一人の弁護士が十数年に渡り、環境汚染をめぐって巨大企業と闘いを繰り広げた実話に基づく。環境保護活動家でもある実力派俳優のマーク・ラファロが主演・製作。
1998年、米国の名門法律事務所で働く企業弁護士、ロブ・ビロットがウェストバージニア州で農場を営む男から調査依頼を受ける。大手化学メーカー、デュポン社の工場からの廃棄物によって土地が汚染され、190頭もの牛が病死したというのだ。
調べるうちに事態の深刻さに気づき始めたロブは、7万人の地域住民を原告団とする一大集団訴訟に踏みきる。しかし強大な権力と資金力を誇る巨大企業との法廷闘争は、ロブを窮地に陥れていく。
〝正義の代償〟を負いながらも前に進む、人間の不屈の精神に感動することだろう。ロブの妻をアン・ハサウェイ、法律事務所のスーパーバイザーを社会活動家としても知られるティム・ロビンスが演じている。監督はトッド・ヘインズ。米映画。
17日から東京・TOHOシネマズシャンテ、大阪ステーションシティシネマなどで全国順次公開。2時間6分。(啓)
「世界で一番美しい少年」17日公開
巨匠ルキノ・ヴィスコンティに見いだされ、映画「ベニスに死す」(1971年)で、究極の美を持つ少年タジオを演じたビョルン・アンドレセン。一大センセーションを引き起こした映画の公開から50年を経て、〝世界で一番美しい少年〟と称されたアンドレセンの軌跡を追ったドキュメンタリー映画。
その後の人生を翻弄され、今もさまよい続けるアンドレセンの姿に、誰しも心を痛めるのではないだろうか。監督はクリスティーナ・リンドストロムとクリスティアン・ペトリ。スウェーデン映画。
17日から東京・ヒューマントラストシネマ渋谷、大阪・シネ・リーブル梅田などで全国順次公開。1時間38分。(啓)
「マトリックス レザレクションズ」17日公開
SFアクション映画の金字塔「マトリックス」(1999年)。その後、2本の続編が作られ3部作完結となった同シリーズ。本作により新たな章が幕を開ける。
世界はまだ仮想世界(マトリックス)に支配されているのか。主人公のネオ(キアヌ・リーブス)は自分の生きている世界に違和感を覚え始めていた…。
トリニティー役のキャリー=アン・モスら、おなじみのキャストも多数、続投している。監督はラナ・ウォシャウスキー。米映画。全米に先駆けて日本で公開される。
17日から東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪・TOHOシネマズ梅田などで全国公開。2時間28分。(啓)
「ボス・ベイビー ファミリー・ミッション」17日公開
平成30年に公開され、日本における米ドリームワークス・アニメーション作品の最大のヒットを記録した「ボス・ベイビー」の続編。
見た目は赤ん坊だが中身は大人というボス・ベイビーが主人公のティムの前に現れ、大騒動を巻き起こしてから25年。ボス・ベイビーは、大人のエリートビジネスマンになっていた。そこへボス・レディを名乗る赤ん坊が現れ、あるミッションのため、2人を赤ん坊に戻してしまう。
クリスマスに似合いの家族向け作品。日本語吹き替え版にはムロツヨシ、多部未華子らが声で出演。
17日から東京・TOHOシネマズ日本橋、大阪・TOHOシネマズ梅田などで全国公開。1時間47分。(健)