〈独自〉研究者の情報開示要求 技術流出阻止へ指針改定

首相官邸=東京都千代田区
首相官邸=東京都千代田区

政府が大学などに研究費を支出する際の指針の改定案の全容が16日、判明した。研究者に対し、所属するすべての機関や役職、外国のプログラムの参加の有無などの情報開示を求める。中国など海外に先端技術が流出したり、日本の安全保障上の脅威になる恐れのある研究に公的資金が流れたりするのを防ぐ狙いがある。17日にも発表する。

政府が改定するのは「競争的研究費の適正な執行に関する指針」。改定案は、今回新たに「指針に則って活動することは経済安全保障にも資する」と明記し、「研究活動に係る透明性を確保」するなどとした。

その上で、国などから研究資金の交付や補助などを受ける研究者らに対し、現在の研究費や他の研究費のの応募や受け入れ状況▽現在のすべての所属機関、役職、兼業の状況▽外国の人材登用プログラムへの参加の有無-などに関する情報を、「応募書類や(府省共通の)研究開発管理システムに記載させる」とした。

政府が指針を改定するのは、研究を支援した軍事転用可能な先端技術などが研究者や留学生を通じ、中国などに流出するのを防ぐためだ。外国の人材登用プログラムへの参加などの開示を求めたのも、中国政府の人材獲得政策「千人計画」などが念頭にある。

改定案では「施設・設備等の支援を含む、すべての研究活動に係る情報について所属機関に適切に報告している旨の誓約を求める」とも明記する。「適切な報告が行われていないことが判明した場合は、研究課題の不採択、採択取消し又は減額配分とする」としたほか、不正事案の公表を含む対応なども求めた。

政府は改定後、令和3年度の公募分から可能な範囲で適用し、4年4月から実施する方針だ。