米議会、ウイグル輸入全面禁止 上院も可決 財務省などは制裁強化

中国・新疆ウイグル自治区にある服飾関連の工場で働く労働者=4月(AP)
中国・新疆ウイグル自治区にある服飾関連の工場で働く労働者=4月(AP)

米議会上院は16日、中国新疆ウイグル自治区を産地とする物品輸入を全面的に禁じる「ウイグル強制労働防止法案」を全会一致で可決した。下院では可決済みで、バイデン米大統領の署名で成立する。強制労働の関与が疑われるとして、一部でも同自治区の産品が入った製品の輸入を原則禁止。日本企業を含む多国籍企業が米国市場で対応を求められる可能性がある。

上下両院で類似の法案をそれぞれ可決。両院で法案の細部を調整し、改めて可決した。ホワイトハウスによるとバイデン氏は署名する意向を示している。

法案は同自治区で「全部または一部」が生産された原材料や製品の輸入を禁じた。同自治区のすべての生産品に強制労働が利用されていると「推定」する内容で、輸入するには、企業が強制労働によるものではないと「明白かつ説得的な証拠」を示し、輸入禁止の適用除外を得る必要がある。

米国は中国当局による同自治区のウイグル族弾圧を「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と認定。これまで品目ごとに対象企業を絞って輸入禁止としてきた。

一方、米財務省と米商務省が16日、中国新疆ウイグル自治区の人権侵害に関連し、それぞれ制裁措置を発表した。

財務省は小型無人機(ドローン)の世界最大手DJIなど、中国企業8社を米国人による証券投資が禁じられるリストに加えると発表した。少数民族の監視に利用されているとして顔認識技術や人工知能(AI)を手掛ける企業も入った。

財務省は今月10日にもAI開発企業の商湯集団(センスタイム)をリストに追加していた。

一方、商務省は中国のバイオテクノロジー関連など34の企業・団体を、輸出規制の対象リストに指定すると発表した。DNA情報などが抑圧行為に活用されている疑いがあるという。

レモンド商務長官は声明で、「中国は(バイオ技術などを)国民の管理や少数民族の抑圧に使う道を選んだ」と批判。米国の技術が流用されないよう規制強化を進める方針を示した。(ワシントン 塩原永久)