「目パチ、口パク」発案 アニメ「鉄腕アトム」トキワ荘で特別展

アニメ「鉄腕アトム」のアフレコ台本や絵コンテが展示された会場=17日、豊島区のトキワ荘マンガミュージアム(鵜野光博撮影)
アニメ「鉄腕アトム」のアフレコ台本や絵コンテが展示された会場=17日、豊島区のトキワ荘マンガミュージアム(鵜野光博撮影)

手塚治虫さんを始めとする漫画の巨匠たちが昭和20~30年代に暮らしたアパート「トキワ荘」を復元したトキワ荘マンガミュージアム(東京都豊島区南長崎)で18日から、特別企画展「鉄腕アトム-国産初の30分テレビアニメシリーズ-」が始まる。昭和38~41年に放送され、最高視聴率40%を記録した同作品。不可能とされた毎週の長編テレビアニメを、同じ絵を使い回す手法などを駆使して実現した手塚さんのアイデアと舞台裏などを紹介している。

「あの人(手塚さん)は『初めて』に弱いですから、フジテレビが依頼に来たときに、初めてだったらやろうじゃないかと決断を下してやり始めたんです」

17日に現地で開かれた内覧会で、手塚プロダクションの松谷孝征社長はユーモアを込めてそう話した。放映はトキワ荘を退去した後だが、原作の一部はトキワ荘で描いていたという。

国産アニメが劇場用か数分間の短編しか制作されていなかった当時、30分番組を毎週続けるため、手塚さんらスタッフはアトムが飛んでいるシーンなどを使い回す「バンクシステム」▽背景を動かして人物を移動させる「スライディング」▽目や口など動かす所だけを描く「目パチ、口パク」-などの手法を発案した。

さらに「米国のアニメが家族で笑いながら見るものだったのに対し、アトムは心にじーんと来るストーリーを織り込んだ」(松谷社長)という物語性の高さが人気を呼ぶことになった。

特別展では制作現場の映像やストーリー紹介、手塚さんの複製原画展示、第1話の上映なども行われる。

来年4月10日まで。入館は公式サイトからの予約優先。大人500円、小中学生100円。月曜日と12月29日~1月3日休館(12月27日は開館)。問い合わせは同館(03・6912・7706)。