米が1800万バレル放出 石油備蓄、価格抑制へ

米イリノイ州シカゴ近郊のガソリンスタンドに掲げられたエクソンモービルのマーク(ロイター=共同)
米イリノイ州シカゴ近郊のガソリンスタンドに掲げられたエクソンモービルのマーク(ロイター=共同)

【ワシントン=塩原永久】バイデン米政権は計5千万バレルの石油備蓄の市場放出計画のうち、17日に1800万バレルを実施する。残る3200万バレルも数カ月以内に放出する方向で、米国の消費者を直撃するガソリン価格の抑制を目指す。

自動車社会の米国ではガソリン価格上昇が物価高につながっている。支持率低下を招くと警戒するバイデン政権は、主要消費国に呼びかけ、11月下旬に日本や中国などと協調した備蓄放出計画を発表していた。

一方、国際エネルギー機関(IEA)は14日、新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の影響が出るため、2022年にかけた原油需要の見通しを下方修正した。足元の原油先物相場も一時の過熱感からは落ち着きをみせている。

米エネルギー省が発表した17日の放出分1800万バレルは、議会がすでに承認したもので、同日から市場で売却して供給を増やす。残り3200万バレルは石油企業に貸し出される分となり、将来的には備蓄への返還を求めるとしている。

同省は10日、備蓄放出に17日から着手すると発表。貸し出しについても、米石油大手エクソンモービルへの480万バレル分の実施を明らかにしていた。

同省のグランホルム長官は10日の声明で「世界がパンデミック(感染症危機)からの回復期にある中、石油備蓄の放出は供給混乱に対処するための重要な手段だ」と指摘。同省は石油企業からの貸し出し要請を歓迎する姿勢を示している。