次期大河「鎌倉殿の13人」ゆかりの地でPR過熱 埼玉

町役場に設けられた比企一族に関するポスターなどの展示スペース=16日午後、埼玉県滑川町(深津響撮影)
町役場に設けられた比企一族に関するポスターなどの展示スペース=16日午後、埼玉県滑川町(深津響撮影)

来年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放送開始を前に、埼玉県内のゆかりの地でPR活動が熱を帯びている。今年の大河ドラマ「青天を衝(つ)け」の主人公・渋沢栄一は同県深谷市の出身で、市や県は観光誘客のてこ入れを図ってきた。2年連続の「大河効果」への関係者の期待は大きい。

「鎌倉殿の13人」は平安末期から鎌倉初期が舞台で、源頼朝の天下取りを支えた13人の家臣団が描かれる。そのうちの一人として登場する比企能員(ひき・よしかず)は埼玉県中央部の比企地域と関係が深く、能員の娘が嫁いだ源頼家の位牌(いはい)がまつられている宗悟寺(東松山市)などが知られる。

同市や滑川町など比企地域9市町村はPR活動のための協議会を設立し、のぼりやポスター、地域にある関連の史跡の解説や地図が載った無料配布用の冊子などを11月末に完成させ、公共施設などへの配置を進めている。

能員は鎌倉幕府の初代執権・北条時政との権力抗争に敗れ、一族は滅亡した。このため、後世における能員や一族の知名度は高くない。協議会の担当者は「大河ドラマをきっかけに比企一族に興味を持ち、地域の史跡などを訪れてほしい」と話す。

協議会の活動と並行して、自治体などによる取り組みも活発だ。

東松山市は比企一族について紹介する観覧無料のパネル展を市内の大岡市民活動センターで開いており、市の担当者は「主人公ではないが、スポットライトを浴びる絶好のチャンスだ」と意気込む。

市観光協会は、中世史の研究者が能員について解説する講演会を企画。先月上旬に開催を告知したところ、定員500人分のチケット(1人分500円)が約1カ月で完売した。

一方、滑川町は今月13日、能員の養母の比企尼(ひきのあま)が住んでいたとされる町内の「和泉三門館」の跡地に、その功績などを解説する看板を設置した。同じく町内にある東武東上線森林公園駅にも、比企尼をイメージしたイラストを描いた縦5メートル、横1・8メートルの大型看板を近く設置する予定だ。(深津響)