関西有数の観光地・白浜温泉(和歌山県白浜町)の宿泊客数が、今年夏季(6~8月)は前年比で好調な一方、秋季(9~11月)は15~30%程度前年割れしていることが、白浜温泉旅館協同組合のまとめでわかった。秋季の低迷について組合は、政府の観光支援事業「GoToトラベル」が昨年12月下旬以降、新型コロナウイルスの感染拡大で停止し、その後も継続していることが原因とみており、早期の再開を求めている。
23カ所のホテル・旅館で構成する組合によると、今年夏季の宿泊客数は、6月が約2万5千人(昨年約1万人)、7月が約7万7千人(昨年約4万9千人)、8月が約10万3千人(昨年約9万6千人)と前年比で最大約2・5倍となった。白浜温泉の顧客は関西が中心。はっきりした原因は分からないが、組合幹部は「ワクチン接種が進んでいたことも背景にあるのではないか」とみている。
一方、秋季については、9月が約4万6千人(昨年約6万9千人)、10月が約5万5千人(昨年約7万1千人)、11月が約7万2千人(昨年約8万5千人)と、いずれも前年割れした。
秋季について組合幹部は「『GoTo』もなく、景気も悪かった」という。ただ、県民の県内旅行代金を最大1万円補助する県の支援事業「わかやまリフレッシュプラン」が実施されており、「『リフレッシュプラン』がその分支えた」とみている。
昨年は「GoTo」効果が高まり、10月はコロナ禍前の一昨年の水準に近づいた後、11月は上回ったが、新型コロナの感染拡大で12月は再び落ち込んでいた。
冬季の12月について、昨年は約5万7千人だったが、幹部は今年、新たな変異株「オミクロン株」の影響を挙げて「下回る可能性がある」とみており、「年明けには『GoTo』を再開してほしい」と訴える。