英国で新型コロナ新規感染者数 7万8610人 過去最多を記録

マスク姿でロンドンの金融街シティーを歩く女性=13日(AP=共同)
マスク姿でロンドンの金融街シティーを歩く女性=13日(AP=共同)

【ロンドン=板東和正】英政府は15日、新型コロナウイルスの1日当たりの新規感染者数が前日から2万人近く増加し、過去最多の7万8610人に上ったと発表した。感染力が強いとされる新型コロナの新変異株「オミクロン株」の出現により、感染者数が急増。1月上旬に報告されたこれまでの最多記録である約6万8千人を大幅に更新した。入院患者の増加が懸念される中、医療逼迫(ひっぱく)への危機感が高まっている。

英紙インディペンデントなどによると、英国では15日に新たに4千件以上のオミクロン株の感染を確認し、累計で約1万件となった。ジャビド保健相は同日、ロンドンの新型コロナ感染者の約60%が同株に感染していると指摘した。

オミクロン株の感染拡大を受け、英政府のウィッティ首席医務官は15日の記者会見で、感染者数の最多記録は「今後数週間のうちに何度も塗り替えられるだろう」と警告した。

一方、オミクロン株が引き起こす症状はデルタ株よりも軽いとの指摘もある。 英政府によると、15日の1日当たりの新型コロナによる新規の死者数は165人で、1月のピーク時の10%以下にとどまる。1日当たりの新規の入院患者数も、4万人近くだった1月のピーク時に比べ、今月は7千人台が続いている。

ただ、ウィッティ氏は15日、クリスマス以降、オミクロン株の患者の入院が増加するとの見方を示した。

会見に同席したジョンソン首相は、ワクチンの追加接種(3回目)を受けることが「極めて重要だ」と訴えた。

ジョンソン氏は12日、2回のワクチンでは感染を予防する効果が不十分とし、追加接種を年内に18歳以上の全ての対象者に提供するとの新たな目標を発表。来年1月末までとしていた現在の目標を1カ月前倒しした。英政府は、軍を投入し接種態勢を強化している。

オミクロン株は欧州で拡大しており、欧州連合(EU)の専門機関、欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、15日時点で27カ国で約2600件の同株の感染が確認された。

オミクロン株をめぐっては、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が14日、「これまでの変異株には見られなかったペースで拡散している」と危機感を示し、各国に警戒継続を求めた。世界全体で既に77カ国で確認されており「おそらく大半の国に広がっているだろう」と強調した。