給湯器がコロナ禍で逼迫 故障で「風呂難民」も

寒い冬に欠かせない給湯器の品薄が深刻になっている。新型コロナウイルスの感染拡大や北米の寒波で海外からの部品供給が遅れ、国内での組み立てが滞っているためだ。給湯器が故障したが、一向に交換のめどが立たず、温かい風呂に入れないという人が各地で続出。メーカーは故障を避けるための注意事項をホームページに掲載するなど対応に苦慮している。

「お湯がまったく使えないのでシャワーは出せないし、風呂にも入れていない…」。11月末に自宅の給湯器が壊れたという30代の男性会社員は苦境をこう明かす。

男性は都内の賃貸マンションに暮らしており、管理会社に給湯器の故障を報告したところ、「入荷のめどが全く立たない。当分は銭湯を利用してほしい」との返答が来た。ただ、最寄りの銭湯は徒歩30分ほどの距離にあるため、「毎日通うわけにもいかず、苦労している」と話す。

給湯器の交換を手掛けている都内のリフォーム会社によると、9月初旬から問屋から給湯器の供給が細り始め、今では会社で保管していた在庫が底をつき、交換待ちの人が続出している状況だという。

この会社の男性社長(53)は「同業者から『給湯器を譲ってくれないか』という無理な問い合わせが来るほど絶望的に足りていない。寒い中、待たせているお客さんには申し訳ないが、肝心の品物がなければどうしようもない」と困り果てた表情を見せた。

「ご希望納期での対応ができなくなっております」「通常より納品までにお時間をいただく状況となっております」―。

大手給湯器メーカーの「ノーリツ」(神戸市)と「リンナイ」(名古屋市)はそろって給湯器などの納期遅延に関するおわびの文章をホームページに掲載している。2社のガス給湯器の国内シェアは約8割に上る。