【ワシントン=大内清】バイデン米大統領は15日、キャロライン・ケネディ元駐日大使を駐オーストラリア大使に指名すると発表した。また、フィギュアスケートの元世界女王、ミシェル・クワン氏を駐ベリーズ大使に指名する。就任には上院の承認が必要。
ケネディ氏は、1963年に暗殺されたジョン・F・ケネディ元大統領とジャクリーン夫人の長女。昨年の大統領選の指名候補争いでバイデン氏を支持した。バイデン氏が副大統領を務めたオバマ元政権の2013~17年に駐日大使を務め、オバマ氏の現職大統領として初の広島訪問や、安倍晋三首相(当時)による米ハワイ真珠湾訪問の実現に尽力。今年秋の叙勲で旭日大綬章を受章した。
バイデン政権は覇権的行動を強める中国をにらみ、日米豪印4カ国による「クアッド」や米英豪の「AUKUS(オーカス)」など多国間での連携強化を進めている。そんな中、米国のインド太平洋政策における重要性が高まる豪州との外交を担う存在として、知名度が高い上にバイデン氏に近く、日本との関係も深いケネディ氏が適任と判断したとみられる。
クワン氏は、フィギュアスケートの世界選手権を5度制覇したほか、1998年の長野五輪で銀メダル、2002年のソルトレークシティー五輪で銅メダルを獲得したスター選手。スポーツを通じた社会貢献活動にも熱心で、06年から10年間にわたって米国務省の親善大使として世界の若者の交流や教育プログラムなどに取り組んだ。