【ニューヨーク=平田雄介】台湾と断交して中国と国交を回復した中米ニカラグアの首都マナグアで14日、中国から提供された新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった。中国国営新華社通信のユーチューブチャンネルが伝えた。
英BBC放送によると、国交回復の手続きを終えて中国から帰国したニカラグア政府代表団が12日、中国製薬大手、中国医薬集団(シノファーム)製のワクチン20万回分を持ち帰っていた。代表団の一人でオルテガ大統領の息子、ラウレアーノ大統領顧問によると、中国からワクチン100万回分の寄付の申し出を受けたという。
ニカラグアはこれまで、ワクチンの公平な分配を目指す国際的枠組み「COVAX(コバックス)」を通じ、米国やフランスからファイザー製ワクチンなどの供給を受けていた。外交筋によると、中国からの提供は初めて。
英統計専門サイト「アワー・ワールド・イン・データ」によると、ニカラグアでは10日までに全人口の66・5%が少なくとも1回のワクチン接種を済ませており、38・3%が接種を完了している。