口筆でイラスト描く岸本さん 香芝市を表敬

香芝市の福岡憲宏市長にイラストについて説明する岸本亜矢子さん(右)=同市
香芝市の福岡憲宏市長にイラストについて説明する岸本亜矢子さん(右)=同市

首から下が不自由なため、口に筆をくわえて絵を描いている奈良県香芝市の岸本亜矢子さん(31)が、同市の福岡憲宏市長を表敬訪問した。岸本さんは中学時代、福岡市長が経営していた学習塾に通っていた。この日、イラストレーターとしての現在の活動を報告するとともに、地元への貢献を誓った岸本さん。福岡市長は「元教え子」にエールを送った。

 県人権メッセージ作品集「未来に向かって」(令和2年度発行)の挿絵に使われた岸本さんのイラスト
県人権メッセージ作品集「未来に向かって」(令和2年度発行)の挿絵に使われた岸本さんのイラスト

岸本さんは高校2年のとき、交通事故で頸髄(けいずい)を損傷し、首から下が動かせなくなった。約8カ月間の入院を経て養護学校に入学。現在は訪問介護サービスを受けながら、一人暮らしをしている。

イラストを描くようになったのは入院中に友人からの手紙に返信したい、と思い、口にペンを加えて挑戦してみたのがきっかけ。もともと絵を描くことが趣味だったのも大きい。

冠をかぶったオリジナルキャラクターの「ライオン王子」や白いイルカ、赤ずきんちゃん…。手掛けるイラストの数々は、どれも優しいタッチで描かれている。

作品はこれまで奈良中央信用金庫(田原本町)のキャッシュカードや預金通帳のデザインに採用されたこともある。

「登場人物にはすべて背景や設定があり、絵のひとつひとつには物語がある」と岸本さん。「イラストの力で香芝市の役に立てれば」と意欲を見せた。

岸本さんからのタイアップの申し出に、福岡市長は「和やかな気持ちにさせるイラスト。活躍はとてもうれしい。前向きに考えていきたい」と話していた。