米製薬大手ファイザーは14日、新型コロナウイルス感染症に対する飲み薬として開発中の「パクスロビド」が、重症化リスクの高い患者の入院や死亡を9割減らす効果を臨床試験の最終結果で確認したと発表した。また、初期段階の研究に基づき、新たな変異株のオミクロン株についても「効果が見込める」と表明したが、詳しいデータは明らかにせず、引き続き確認を進めるとした。
臨床試験では、発症から3日以内にパクスロビドを飲み始めたグループと、薬効のない偽薬を使ったグループを比較。パクスロビドのグループは4週間後までに697人中5人が入院し、死者はなかったのに対し、偽薬のグループは682人中44人が入院し、9人がその後死亡。重症化の抑制効果は89%とした。
発症5日以内の開始でも88%減で、11月に発表した中間解析と同様の傾向だった。投与による健康影響の懸念はみられなかったとした。 パクスロビドは、細胞に侵入したウイルスが自分のコピーを作る過程を邪魔する薬。(共同)