変異株、資源高騰、円安… プラス成長予想も中小企業の不安多く

9月の3連休最終日に賑わう道頓堀=(安元雄太撮影)
9月の3連休最終日に賑わう道頓堀=(安元雄太撮影)

りそな総合研究所は15日、令和3年度の関西経済の実質域内総生産(GRP)を前年度比2・4%増とする試算を明らかにした。4年度は同2・7%増で、プラス成長が見込まれるものの、不安材料が目立つ。飲食や小売りなどでリベンジ消費に期待が寄せられる一方、新たな変異株「オミクロン株」をはじめ、感染拡大第6波への懸念も根強い。比較的好調だった製造業にも資源高騰の影響が波及しており、中堅、中小企業の経営環境はさらに苦しさが増しそうだ。

「忘年会シーズンであるにもかかわらず、大きなグループでの宴会予約が入らない」。こう話すのは、関西を中心に飲食店を展開するがんこフードサービス(大阪市)幹部。緊急事態宣言が解除された10月以降に売り上げは回復しているが、感染拡大による業界への不安は根深い。売り上げを伸ばすために雇用を増やしたいが、人手が集まらないという。

りそな総研の荒木秀之主席研究員が指摘する資源価格の高騰は、製造業を直撃している。大阪府内の機械メーカーの経営者によると、プラスチック製品をはじめ、部材の仕入れ値が1~2割増加。契約の都合で価格転嫁できない製品もあり、「経営努力で吸収できるレベルではない。円安でさらに仕入れ値が上昇するダブルパンチだ」と嘆く。政府は優遇策で企業への賃上げを促す考えだが、「賃上げどころではない」とにべもない。

兵庫県内の食品メーカーを経営する男性は製品ラインアップのうち8割ほどで値上げを決断した。「大手が値上げするタイミングに合わせたが、得意先がどれだけ受け入れてくれるか分からない」と胸の内を明かす。人材確保のためパートの人件費も引き上げたが、「いい人材を採用するためには仕方ない」と話している。