グロー損害賠償訴訟 「係争中」 口閉ざす関係者

オンライン会見に臨む原告の2人=令和3年1月12日(Dignity for All -社会福祉法人役員による性暴力・ハラスメント裁判の原告を支える会-提供)
オンライン会見に臨む原告の2人=令和3年1月12日(Dignity for All -社会福祉法人役員による性暴力・ハラスメント裁判の原告を支える会-提供)

日本の福祉業界では「障害者福祉の滋賀」といわれている。その滋賀の誇りを大きく毀損(きそん)するスキャンダルとなった社会福祉法人「グロー」(滋賀県近江八幡市)の損害賠償訴訟。性暴力やセクハラを受けたとして元職員の女性2人が提訴して1年が経過した。「係争中」を理由に一見平穏だが、「熱(ほとぼ)りを冷まさないで」「なかったことにするな」といった悲痛や怒りの声が蠢(うごめ)いている。琵琶湖に例えると、湖面はさざ波だが、湖底は大きく渦巻いている。

滋賀では「障害者福祉の父」と呼ばれる糸賀一雄氏(1914~68年)が日本の基礎を築く先駆的な実践を積み重ねた。県職員でもあった糸賀氏の言葉「この子らを世の光に」は福祉の基本思想として滋賀だけでなく全国で継承されている。

■偏った習慣、今も

スキャンダルは突然、表面化した。

グローの理事長、北岡賢剛氏(63)=令和2年12月24日に理事長辞任=から性暴力やセクハラ、パワハラを繰り返し受けたとして、元職員の女性2人が昨年11月13日、北岡氏とグローを相手取って計約4250万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。訴状によると、女性2人は7~10年以上にわたって、北岡氏から強制わいせつ行為などを繰り返し受けていた。

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