パナソニック、テレビの開発機種16%削減 生産委託で合理化

パナソニックは14日、ユーザーのニーズに即した商品開発に集中するため、今年度中にテレビの開発機種を16%削減することを明らかにした。テレビ事業では、これまでに欧州などの生産拠点撤退や低価格機種の生産委託を進めており、開発機種も絞ることで黒字定着へ向けて事業体制の再構築を図る。

テレビやレコーダーといったデジタル家電事業を担う豊嶋明事業部長が報道陣の合同取材で説明した。テレビ事業は、巣ごもり需要で令和3年3月期決算では3期ぶりの黒字を達成したものの、低価格帯を主力とする中国企業などの台頭で厳しい状況が続いている。

パナソニックは固定費削減のため、今年に入り宇都宮市の国内拠点に加え、ベトナムやインドでのテレビ生産から撤退。今年度末までにブラジル、チェコでの生産も終了する予定で、生産拠点をマレーシアと台湾の2カ所に絞る。利益率が低い低価格機種については、中国家電大手TCLと生産委託で合意するなど効率化を進めている。

一方、商品開発について豊嶋氏は「これまでは技術の進歩に伴い、テレビの付加価値を多機能化するなど、メーカー目線で決めてしまっていた」と釈明したうえで、「顧客が求めるものをシンプルに追求する」ことを今後の方針に掲げた。性能を向上するだけでなく、ユーザーに感動ややすらぎを与える商品開発を目指すという。

第一弾として、10月にアンテナケーブルが不要のテレビを発売。チューナーから映像が無線で送信されるため、自宅の好きな場所にテレビを設置して視聴することができる。

また、これまで販売する国の環境やニーズに合わせて複数展開していた商品を統合。開発機種を昨年度に約20%減、今年度に16%減とし、体制を合理化する。来年4月の事業会社化に向け、企画から開発、調達、販売などすべての機能を各事業部に集約し、商品化のスピード向上も図る。

豊嶋氏は「基本的に事業部のすべての分野で収益化できている。今後は未来への投資ができるようにさらに収益性を高めたい」と話した。(桑島浩任)