ひきこもり問題の解決策として「eスポーツ(ゲーム)」を活用しようと、東大阪市は、「日本学生eスポーツ協会/ゲーミック」(東京)と連携協定を結んだ。ゲームを通じ、仲間や自分の居場所を見つけ、社会で自立するきっかけをつかんでもらう目的だ。
市によると、同協会が全国の各自治体と協定を締結するのは初めてという。
同協会は昨年2月に設立。代表理事で関西学院大の前川友吾(まえがわ・ゆうご)さん(24)は自身も小中高時代にひきこもり経験があったが、eスポーツで自信がつき、社会での居場所を見つけた。
eスポーツの魅力について前川さんは、一緒にゲームを行う対戦相手や仲間との間で「コミュニケーションができ、オンラインで遠方の人ともつながることができる」と指摘する。
同市調査ではひきこもりの市民が少なくとも277人おり、うち約6割が30代以下という。市はeスポーツを楽しむことを提案し、社会復帰やひきこもりの解消を後押しする考えだ。
野田義和市長(64)はeスポーツに「問題解決の可能性を感じる」としたうえで、ひきこもる若者たちが「社会へ半歩、一歩でも出ていけるきっかけになれば」と期待を込めた。