セイコーエプソン、国内拠点の全電力を再エネ化 大手製造業で初

屋根に太陽光発電パネルが設置されたタイにあるセイコーエプソンの工場
屋根に太陽光発電パネルが設置されたタイにあるセイコーエプソンの工場

セイコーエプソンは11月から、国内拠点で使用する電力を100%再生可能エネルギーに切り替えた。国内の大手製造業では初めてで、当初計画より5カ月早く達成した。同社はこれを機に、環境保全に向けた取り組みを一段と加速する。2023(令和5)年には全世界の拠点で使用する電力も全て再生可能エネルギーに転換。2050年までに二酸化炭素(CO2)の吸収・除去量が排出量を上回る〝カーボンマイナス〟や〝地下資源消費ゼロ〟の実現を目指す。

50年目標の達成に向け、さらなる「脱炭素」と「資源循環」に取り組む。同社が使用する全エネルギーのの約7割は電力だが、残りの約3割はガスなどの化石燃料を使う。電力の再エネ化は道筋をつけたが、電力以外の化石燃料部分については緒に就いたばかり。今後はガス会社などと協力しながら、化石燃料部分の再エネ化を本格化する。

また、プリンターなどの主力製品については「使用済みのものを顧客から引き取り、部品を修理・交換するなど整備した上で再生品として出荷する『リファービッシュ』やリユースにも積極的に取り組む」(木村勝己CS品質・環境企画部部長)ことで資源の有効活用につなげる。製品の長寿命化や消耗品・交換部品の削減などを通じ、製品を使用するユーザーのもとでの環境負荷低減も進める。

特に地下資源消費ゼロを実現するためには、金属や紙など原料のリサイクルやプラスチックを天然由来素材に切り替えるといった取り組みも必要となることから、それらを実現する環境技術の開発にも乗り出す。一連の取り組みに対し、21~30年の10年間に1000億円の費用を投入する計画を打ち出している。

これまでは自社内での取り組みで実現できるものも多かったが、今後は取引のある原材料メーカーやエネルギー会社など他社との協業で推進する方針だ。

同社は経営理念に「地球を友に」を掲げる環境先進企業であり、その活動が社会全体に環境意識や理解、共感を広げていくことが期待されている。(青山博美)