中国の楼継偉元財政相は11日の講演で、中国政府の経済統計発表は「好調な数字ばかりだ」と述べ、都合の良いデータを強調する当局や中国メディアの姿勢を批判した。「米国はプラス面とマイナス面の両方の数字を出している」と評価した。元閣僚が異例の政府批判に踏み込んだ。
国際社会では中国の統計の信用性を疑問視する見方が根強い。
楼氏は政府系シンクタンク主催の討論会で、共産党幹部や国家統計局の局長に続いて講演。「中国は困難に直面していると(口では)言うが、統計数値には表れていない。報道も、あれが増えたこれが増えたと言うだけで、何を失ったかに触れない」と皮肉った。
今年の新規就業者数の増加目標を達成したとする政府発表に対して「半年仕事をすれば新規の増加にカウントされる。だがその後失業した人もいる」と指摘。企業数が増えたとする統計に関しても、多くの零細企業が休業状態だと問題視した。(共同)