中国が台湾への軍事的威嚇を強め、戦闘機や爆撃機などを台湾の防空識別圏(ADIZ)に繰り返し進入させている。「台湾は中国の不可分の領土であり核心的利益だ」と主張し、東・南シナ海でも覇権的な動きを絶え間なく続けている。
だが、そもそも中国がなぜ、日米欧など国際社会から強硬な反発を招きながらも、周辺地域の〝縄張り意識〟を決して捨てず、台湾統一も悲願にするのか。
その領土的野心の背景として「中国国恥(こくち)地図」の存在を指摘したのが、米在住ノンフィクション作家、譚璐美(たん・ろみ)さんの新刊「中国『国恥地図』の謎を解く」(新潮新書)だ。「かつて列強に奪われた領土は、すなわち国の恥だ」との民族意識が地図から読み取れるという。